第95回 海外交通政策資料研究会

第95回 海外交通政策資料研究会
2025年2月13日(木)15:00

【議題及び資料】

  1. アジア地区プロジェクトの動向
  2. Prototype 450 km/h high speed trains unveiled in China
  3. JR East seeks foreign workers to fill skills gaps
  4. 英国における鉄道再国有化の現状と展望
  5. First British operators to return to public ownership
  6. Co-operatively owned Go-op approved to launch open access train services
  7. Transport Secretary sets out five priorities for Shadow Great British Railways in 2025
  8. << Nous sommes en train de recruter quarante personnes>>: a pres sa ligne Paris-Lyon, Trenitalia veut lancer des TGV Paris-Marseille avant l’ete
  9. CDU-Pläne zur Zerschlagung der Bahn
  10. „Null Effekt auf die Pünktlichkeit der Züge“ – Wissing warnt vor Zerschlagung der Bahn

【議事概要】

  1. インド:ムンバイ~アーメダバード高速鉄道(MAHSR)プロジェクトの信号通信システムの入札を実施。デリーを中心とする首都圏地域では地域高速輸送システム(RRTS)の通勤列車が13km延伸。タイ:タイと中国による共同事業の高速鉄道プロジェクト(251km)で、工事が遅延している契約3件の完工期限を最長2年延長。2017年に着工し2021年完工予定だったところ、開業見通しは2027年に。カンボジア:首相が国内鉄道網の改良を進め輸送効率を向上させるよう指示。首相は「高速鉄道のような巨大投資は必要ない。既存線の改良で充分」と述べ、現状からの発展に重点を置く方針。日本から11両の旅客車両を導入。ベトナム:NXベトナム有限会社がハノイとホーチミンを結ぶ南北鉄道サービスを拡充し混載サービスを開始。マレーシア:中断しているクアラルンプール~シンガポール間高速鉄道の実現に向けた対応を協議。シンガポール:Hitachi Rail と地下鉄運営会社(SMRT)が次世代グリーン通信ベース列車制御プロジェクトを実施。韓国:現代ロテムが台湾・桃園市の無人地下鉄車両を発表。グリーンラインは自動化レベル4(GoA4)を予定。ウズベキスタン:ウズベキスタン国鉄(UZ)が、タシュケント~サマルカンド間(約300km)の高速鉄道建設のF/S実施に韓国のコンソーシアムを指名。韓国輸出入銀行による経済開発協力基金を活用。中国:中国鉄道(CR)は、現在48,000kmに及ぶ高速鉄道総延長が2030年頃までに25%拡張され60,000kmになると予測。
  2. 中国中車(CRRC)とCRは、営業運転速度400km/h、最高速度450km/hの試作車CR450を公開。先頭形状が異なる2つの編成があり、いずれも4M4T。技術的な根拠を含めた詳細は明らかでない。
  3. JR東日本がJARTSを含めた複数のオーガナイザーの協力を得て外国人労働者を募集・育成。2月下旬よりインドネシア、ベトナムから25名をリクルートし、訓練・雇用のプログラムを開始する。訓練は白河市のJR東日本総合研修センターで行われる。
  4. 英国では、過去のフランチャイズ制度の限界と新型コロナウイルスによる経営破綻を背景に鉄道国有化が進められている。ネットワークレールは、今後グレートブリテン鉄道(GBR) への統合を通じて再編され、政府の適切な管理と民間の柔軟な運営のバランスが求められる。
  5. 英国運輸省(DfT)は、南西鉄道(SWR)がフランチャイズ事業の国有化を行う初の事例となることを発表。2025年5月25日のフランチャイズ契約満了をもって公有化される。このほか、英国各地で順次フランチャイズ契約の満了に伴い公有化が進められる。
  6. 英国で共同組合によるスタートアップ企業のGo-opが行うオープンアクセスの旅客列車サービス計画が認められた。必要な手続を経て、Go-opは遅くとも2026年12月までに運行を開始する必要がある。
  7. 英国運輸大臣は、鉄道における2025年の優先課題として、(1)鉄道運行事業者とネットワークレールの統合による重複の排除と管理の簡素化、(2)運行パフォーマンスの向上、(3)運賃体系とチケットの見直し、(4)イノベーションの推進、(5)鉄道の枠を超えた積極的な変化、の5つを掲げ、安定運行による信頼獲得といった基本的な取り組みが必要とした。
  8. トレニタリア社は、パリ・リヨン線に次いで、パリ・マルセイユ間のTGVを夏前から運行する構想を発表。メンテナンスの一部はパリにあるSNCFの施設を借り受けて行う。具体的な運行開始時期は不明。
  9. ドイツ連邦議会選挙を前に、保守系の主要政党であるキリスト教民主同盟(CDU)/キリスト教社会同盟(CSU)が、ドイツ鉄道(DB)グループ傘下にある鉄道インフラ部門と鉄道運行部門の分離を柱とするDB解体計画を発表。ベルリン中央駅に数百人の労働組合員が集結し「素人の日和見主義」と抗議。
  10. ドイツ自由民主党(FDP)及びCDU/CSUが主張するDB解体計画に対し、現職の連邦交通大臣(元FDP)が「定時運行率向上への効果は全くない」と警告。現在各地で進んでいる鉄道インフラの大規模改良計画だけでなく建設産業にも影響が及ぶと指摘。

【出席者】
岩沙克次 遠藤俊太郎 佐々木拓二 佐々木敏明 佐藤芳彦 菅建彦 曽我治夫 
西江勇二 前田喜代治

令和7年6月2日「交通研究委員会」

交通研究委員会が令和7年6月2日(月)に開催されました。

講 師: 日本信号㈱ 専務執行役員
     坂井 正善 氏

演 題:「信号システムをサスティナブルに支える日本信号の取り組み」

令和7年3月24日「交通研究委員会」

交通研究委員会が令和7年3月24日(月)に開催されました。

講 師: 相模鉄道㈱ 常務取締役営業部長
     金田 有紀 氏  

演 題:「相模鉄道の都心部直通プロジェクト(相鉄グループの取り組み)」

令和7年2月3日「交通研究委員会」

交通研究委員会が令和7年2月3日(月)に開催されました。

講 師: 日本コンサルタンツ㈱エグゼブティブアドバイザー
     中井 雅彦 氏
演 題:「インド拘束鉄道プロジェクトの現状と課題」

第94回 海外交通政策資料研究会

第94回 海外交通政策資料研究会
2024年12月5日(木)15:00

【議題及び資料】

  1. アジア地区プロジェクト情報
  2. Vietnam approves $67 billion high-speed railway project between Hanoi and Ho Chi Minh city
  3. Transport Secretary fires the starting gun on rail reform as Public Ownership Bill reaches final stages in Commons
  4. Hitachi to develop next generation CBTC in Canada
  5. Integrating FRMCS: Enhancing rail communications with 5G technology
  6. Railcoop
  7. 激動する世界 置き去りのドイツ
  8. RENFE enters Italian passenger market with Arenaways stake
  9. Zehntausende Bahnfahrer betroffen: Zug-Lieferung für den Nordwesten zum vierten Male verschoben
  10. Nicht genug Abstellgleise: Bahn fehlen Parkplätze für ICE-Züge in Berlin
  11. その他 ニューヨーク、Grand Central駅の近況

【議事概要】

  1. インド:西部の高速鉄道(MAHSR)敷設に必要なスラブ軌道の製造工場を西部グジャラート州スーラト近郊に開設。ミャンマー:ヤンゴン環状鉄道向けDEMU車両を導入。タイ:運輸相が来年9月までの交通渋滞税導入実現を明言。ベトナム:670億ドルを投じた高速鉄道プロジェクトを議会が承認。フィリピン:JR 東日本とパリ交通公団の子会社「RATP Dev」が、南北通勤鉄道事業の入札に向けた協力に関する覚書を締結。台湾:新幹線の海外展開を目指す「国際高速鉄道協会(IHRA)」が台湾高速鉄道(台湾高鉄)と共催で台北市内にて全体会議を開催。マカオ:LRT新線「横琴線」開業。三菱のAGTシステム一式を採用。参考:ロンドン交通局がエリザベス線の運営を東京メトロや住友商事などの合弁会社「GTSレール・オペレーションズ」に委託すると発表。
  2. ベトナム政府がハノイ・ホーチミン間1,541kmを最高速350km/hで結ぶ670億USドルの高速鉄道プロジェクトを承認。2027年着工、2035年開業を目指す。
  3. 英国運輸長官が鉄道公有法案を最終段階に移行。鉄道改革の号砲発射。遅延・運休等が続く英国の鉄道サービスを改善したい考え。
  4. 日立がカナダ・トロントのエンジニアセンターで新世代CBTCを開発するため100億カナダドルを投資。オンタリオ州・オンタリオ投資資金ファンドと協力。世界の都市鉄道での活用を見込む。
  5. 鉄道の通信システムをGSM-Rベースから5Gベースの次世代鉄道用移動通信システム(FRMCS)に切り替えることで、鉄道の将来に向けた改善が図られる。
  6. フランスに、2019年から2024年にかけて民間協同組合鉄道輸送会社「Railcoop」が存在。同社は2021年に免許等を取得、同年11月からオクシタニー地方で貨物列車の運行を開始した。2022年にはボルドー~リヨン間の旅客輸送等も計画されたが資金難のため実現せず延期となり、その後、2023年4月に貨物列車の運行を停止。同社は破産・清算された。
  7. ドイツでインフラの劣化が進み、鉄道やアウトバーンのほか、デジタル投資の不足も課題に。経済成長が止まり、国内で政治的な混乱を生じている。旧東独側では右派政党躍進の動きがあり、総選挙を経てドイツがEU離脱に動き、EU崩壊を招く懸念もある。
  8. スペインのRENFEが、アリーナウェイズ社(イタリア)の出資を受けてイタリアの旅客鉄道市場に参入する。RENFEは英国ロンドン~ウェールズ間におけるオープンアクセスの鉄道事業に関わっているほか、フランスのRailcoopを一部買収する交渉も行っていた。
  9. アルストム社は、ドイツ・ニーダーザクセン州の鉄道運営主体(LNVG)向け近郊電車34編成について2024年12月納入が困難であると発表。納入延期は4回目。納入予定は2025年12月以降で、この車両による旅客輸送は2026年3月以降になる見込み。これにより車両が不足し、2025年12月以降ハノーファー周辺で1日1万人以上の旅客に影響が出るとみられる。
  10. ドイツ・ベルリンで、工事のため高速列車ICEの留置線が不足。また、ベルリン中央駅で分岐器が足りず列車の発着に制限があり、その設置工事のため運休を計画。この分岐器は2006年に同駅が建設される際に設置される予定だったが、コスト縮減のために省かれたもの。
  11. ニューヨークで米国最大の通勤鉄道であるロングアイランド鉄道がグランドセントラル駅に乗り入れた。同駅はユネスコが2024年の「最も美しい駅」に選定しており、駅周辺では再開発も進んでいる。

【出席者】
遠藤俊太郎 川﨑孝夫 佐々木拓二 佐藤芳彦 曽我治夫 高津俊司 東充男
前田喜代治

第93回 海外交通政策資料研究会

第93回 海外交通政策資料研究会
2024年9月19日(木) 15:00

【議題及び資料・情報】

  1. アジア地域別鉄道プロジェクト関連情報
  2. Inno Trans 2024:the five big talking points
  3. European Rail Freight Association sets out priorities
  4. Bogie-mounted sensors
  5. China postpones delivery of locos to Belarus
  6. Porsche Holding in group taking stake in Greyhound owner Flix
  7. Verkehrsverbund Ost-Region の Klimatickets
  8. Klimaticketについての論評
  9. インド新幹線
  10. パリ近郊でのSNCFに対する妨害工作

【議事概要】

  1. インド新幹線7km海底トンネル工事開始。JR西日本とタイRTRDA各種支援事業協定。AIIBベトナム南北高速鉄道と地下鉄に50億ドルの公約。ホーチミン市地下鉄2号線韓国輸出入銀行と投資準備支援事業範囲の基本合意。インドネシアKCI中車青島四方から8編成の車両と新都市ヌサンタラ無人運転ATR車両を購入。フィリピン政府ADB をトランスアクションアドバイザーに任命マニラ3プロジェクトを推進、南北通勤鉄道円借款による工事で一部駅の構造物完成。9月中国213kmキルギスタン260kmウズベキスタン50kmの鉄道事業3カ国が投資協議書を締結、建設開始
  2. さまざまな成果が展示されるInno Trans 2024を控えIRJ Kevin Smithの見解。SCIは、2023年の世界鉄道産業はサプライチエーンの乱れとエネルギー高騰を乗り切り€200bnの大台に達し4%の成長を見込むが、エネルギー、コスト、ストック、資金、DAC,ERTMCS,ERTMS、モーダルシフト、世界地政学的状況、保護主義、CRRC,ALSTOM,SIEMENSなどの動向、デジタル化、業界のスキルと多様性などを指摘
  3. 欧州鉄道貨物協会2024~2029年のマニュフェストでインフラ整備、単一欧州鉄道圏、競争力の向上の3政策目標と、①整備と一時的輸送力制限への運行会社補償、②安定的な線路使用料、③ERTMS導入と車載ユニットとの調整、資金提供、④官僚主義の削減、言語・認証用件の簡素化の課題を設定
  4. 欧州貨物オペレータはAI DIGITAL社の車載センサーベースシステムの使用により、リアルタイム計測と偏積の回避、通信機器によるオペレータに情報提供、今後軌道に対する情報提供も可能になる
  5. べラルーシ向け仏・中開発の電気機関車BKG2、EU-US制裁により西欧側の部品調達ができず自国化による大幅納入延期
  6. Porsche Holding欧州でFlix Bus、北米でGreyhound を持つFlix SEの35%の株を所有すると発表。初めて消費者側プラットホームへの投資
  7. オーストリア東部運輸連合(VOR)気候変動対策チケット(Klimaticket)利用が増加、公共交通利用度が高まった
  8. ウィーン経済大学Fürst教授、ドイツ19€/49€チケット、オーストリア全国環境チケットなど年間乗り放題の乗車券の具体例を紹介。人気は高く政治家に受けるが、乗客の純増は比較的少なく運賃の経済的役割が軽視され収入減。補償も不確定。企業の経営問題が残り極めて重要な車両インフラの保守、整備などの問題が未解決だと論評
  9. インド高速鉄道 JICA借款とその負担、工事進捗の一方大幅開業遅延、新幹線車両を見込むが、国有ICF社にアジアで需要が見込める1435mm規格の車両の国内製造も指示
  10. 6月26日、パリ近郊でTGV北、西、東,南西線に対し同時多発的に放火などによる信号妨害があり、大規模な運行障害発生。SMSなどによる乗車予定者に対し周知徹底が行われた

【出席者】
遠藤俊太郎 川﨑孝夫 佐藤芳彦 佐々木拓二 佐々木敏明 菅建彦 高津敏明 西江勇二 東充男 前田喜代治

第92回 海外交通政策資料研究会

第92回 海外交通政策資料研究会
2024年6月20日(木) 15:00

【議題及び資料】

  1. Hitachi completes €1.7bn Thales GTS acquisition
  2. 光ファイバーによる異状音検知と鉄道への応用
  3. アジア鉄道関連プロジェクト情報
  4. SNCF Voyageurs plans to launch open access high speed train service in Italy
  5. Independent high speed rail operator Proxima launched in France
  6. China-Kyrgyzstan-Uzbekistan railway agreement signed
  7. Uzbekistan signs South Krean high speed train order
  8. How to launch a US high speed rail project

【議事概要】

  1. 日立レールはThalesからGTS部門を€1.66bnで買収。digital operationやcybersecurity技術、乗車券システムなどの機能向上により、収益性の高い信号、列車制御、デジタルシステム部門で取引を世界51カ国に拡大。独禁法の関係で英独仏の信号部門の一部を売却するが、伊英米拠点に加え、GTSスタッフ9000人を受け入れ独、仏、スペイン、カナダ拠点が充実し広く交通分野のニーズに対応
  2. 光ファイバーを利用した分散音響センシング(DAS) 技術により80km長までの軌道、車輪、架線、落石、動物などの異状に対応可。インドで既に実用化
  3. アジア鉄道関連 インド新幹線2026年運行開始見込み。タイ国鉄タイ高速鉄道バンコク~ノーンカーイ610km中第二期計画ナコンラーチャシマー~ノーンカーイ間357kmを承認。タイ・中国パートナーシップによる92.4億ドル投資計画。昆明とビエンチャン間は2021年完成。ホーチミン市メトロ1号線諸般のテストを終え12月にベトナム側に引き渡される予定。ジャカルタ都市高速線MRT東西線の建設支援のため1,406億9,900万円限度の借款供与。中国国鉄とロシア(RZD)はザバイカリスク~満州里を通過する第二の標準軌建設。中露間の物資輸送円滑化を協議。中国~ヨーロッパ東部間サービスネットワークに南ルートも加わり活況。欧州25国223都市、アジア11国100都市を結ぶ。
  4. SNCF Voyageurs 2026年からイタリアでopen access high speed サービス開始計画
  5. 仏Antin Infrastructure Partner が支援するProximaパリと西部を結ぶ高速オペレーターとして参入計画
  6. 一帯一路構想の一環として中国、キルギスタン、ウズベキスタン3カ国を結ぶ523km推定80億ドルの鉄道建設協定に調印。資金調達、建設、運営、保守、物流ターミナルの整備等が含まれる
  7. 韓国・ウズベキスタン協力協定の一環としてHyundai Rotemの高速列車車両の輸出
  8. US High Speed Association 時速300+kmの鉄道を立ち上げるため17ページ、5項目に関わる「High Speed Rail Project Initiation -A road Map for Advocate」を6月に発表

【出席者】

岩沙克次、岩橋洋一、遠藤俊太郎、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木拓二、佐々木敏明、
菅建彦、曽我治夫、東充男、前田喜代治

令和6年7月10日「交通研究委員会」

交通研究委員会が令和6年7月10日(水)に開催されました。

講 師: (一社)立飛総合研究所 理事(都市交通ジャーナリスト)
      市川 嘉一 氏

演 題:「これからの交通政策~「交通崩壊」を避けるために」