第92回 海外交通政策資料研究会

第92回 海外交通政策資料研究会
2024年6月20日(木) 15:00

【議題及び資料】

  1. Hitachi completes €1.7bn Thales GTS acquisition
  2. 光ファイバーによる異状音検知と鉄道への応用
  3. アジア鉄道関連プロジェクト情報
  4. SNCF Voyageurs plans to launch open access high speed train service in Italy
  5. Independent high speed rail operator Proxima launched in France
  6. China-Kyrgyzstan-Uzbekistan railway agreement signed
  7. Uzbekistan signs South Krean high speed train order
  8. How to launch a US high speed rail project

【議事概要】

  1. 日立レールはThalesからGTS部門を€1.66bnで買収。digital operationやcybersecurity技術、乗車券システムなどの機能向上により、収益性の高い信号、列車制御、デジタルシステム部門で取引を世界51カ国に拡大。独禁法の関係で英独仏の信号部門の一部を売却するが、伊英米拠点に加え、GTSスタッフ9000人を受け入れ独、仏、スペイン、カナダ拠点が充実し広く交通分野のニーズに対応
  2. 光ファイバーを利用した分散音響センシング(DAS) 技術により80km長までの軌道、車輪、架線、落石、動物などの異状に対応可。インドで既に実用化
  3. アジア鉄道関連 インド新幹線2026年運行開始見込み。タイ国鉄タイ高速鉄道バンコク~ノーンカーイ610km中第二期計画ナコンラーチャシマー~ノーンカーイ間357kmを承認。タイ・中国パートナーシップによる92.4億ドル投資計画。昆明とビエンチャン間は2021年完成。ホーチミン市メトロ1号線諸般のテストを終え12月にベトナム側に引き渡される予定。ジャカルタ都市高速線MRT東西線の建設支援のため1,406億9,900万円限度の借款供与。中国国鉄とロシア(RZD)はザバイカリスク~満州里を通過する第二の標準軌建設。中露間の物資輸送円滑化を協議。中国~ヨーロッパ東部間サービスネットワークに南ルートも加わり活況。欧州25国223都市、アジア11国100都市を結ぶ。
  4. SNCF Voyageurs 2026年からイタリアでopen access high speed サービス開始計画
  5. 仏Antin Infrastructure Partner が支援するProximaパリと西部を結ぶ高速オペレーターとして参入計画
  6. 一帯一路構想の一環として中国、キルギスタン、ウズベキスタン3カ国を結ぶ523km推定80億ドルの鉄道建設協定に調印。資金調達、建設、運営、保守、物流ターミナルの整備等が含まれる
  7. 韓国・ウズベキスタン協力協定の一環としてHyundai Rotemの高速列車車両の輸出
  8. US High Speed Association 時速300+kmの鉄道を立ち上げるため17ページ、5項目に関わる「High Speed Rail Project Initiation -A road Map for Advocate」を6月に発表

【出席者】

岩沙克次、岩橋洋一、遠藤俊太郎、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木拓二、佐々木敏明、
菅建彦、曽我治夫、東充男、前田喜代治

令和6年7月10日「交通研究委員会」

交通研究委員会が令和6年7月10日(水)に開催されました。

講 師: (一社)立飛総合研究所 理事(都市交通ジャーナリスト)
      市川 嘉一 氏

演 題:「これからの交通政策~「交通崩壊」を避けるために」

第91回 海外交通政策資料研究会

第91回 海外交通政策資料研究会
2024年4月18日(木) 15:00

【議題及び資料】

  1. London and New York outside top 10 longest metros as Chinese cites dominate
  2. 世界のメトロ データ
  3. UK government publishes Draft Rail Reform Bill
  4. A new leasing model for Europe?
  5. Request to Stop button ready for trial at Welsh stations
  6. About Coventry Very Light Rail
  7. Kevin Speed
  8. Metronom kündigt Streckenvertrag zwischen Hamburg, Bremen und Göttingen – so geht es jetzt weiter
  9. RhB streit wegen Personalmangel Züge
  10. Van Hool’s trustee have accepted the takeover bid by VDL-Schmitz
  11. DECARBONISATION Traction Technology
  12. その他
    ユーロトンネル列車容量
    ALSTOM イギリスのオペレーテング市場参加
    RATP Dev Keolisに代わりリヨンのメトロの運行(2025 1/1~)
    Messe “Mobilität erleben ” (DBME 2024) : DB zeigt innovationen für besseres Bahnfahren
    DAC-FIT 貨車自動連結の推進
    CHSRA Alstom とSiemens shortlisted
    ベトナム新線計画

【議事概要】

  1. 世界都市別、営業キロ別メトロのデータによると中国が上位を占め25都市中16都市。Moskva、London、NY、Seoul、Delhi、東京(18位)、Madrid、Singapore、Parisとなる、ただし旅客数では東京が1位
  2. イギリス政府は32pの法案と29pの説明メモ、123pの影響評価からなる鉄道改革法案のDraft Billを2月10日に発表。2021のWilliam-Shapps報告に沿って2025年までに2016年の現行法の改正作業の一環として各界の意見を求めるためのものである。1994年から始まるフランチャイズ方式を経てネットワークレールによる事実上の国有化を経て、今回Office of Rail and Roadの監督の下、新しく上下一体の組織であるGreat British Railway公社が設立され、部外委託方式による旅客サービスが開始される
  3. Siemens 地方鉄道旅行ブームもあり、これまでの売却、長期リースに換えオプション付き短期契約の車両リースプール会社STS(Smart Train Lease)を設立。当面ETCS標準整備3両編成12セット、2両編成8セットを提供
  4. イギリス特にWales に多く残るR&S(旅客の合図による列車停止)方式に代えて携帯電話のGMS通信方式利用のボタン式通知方式、可能であれば当初から列車情報を含めたGMS=Rが採用される。これにより無用の停車数が減少し動力費の減少。スコットランドではBRが開発したRadio Electronic Token Block方式が採用されている
  5. イギリスCoventryはVery Light Rail(超軽量レール)を開発、テスト中、最新の自動車技術と革新的な線路設計、施工、ルート設定を行い都市環境を向上させる。充電式車両で無架線、線路設備を地表から30㎝に収め工事費を大幅軽減。地域、市、議会、企業が協力し資金調達、他の都市にもノウハウを提供
  6. フランスKevin Speed(オープン アクセス高速コミューター会社)2028年までに運行開始を計画。パリからリヨン、リール、ストラスブルグ間、リモートワークを考慮し停車駅増、低運賃、ネット販売、定規格ダイヤ、座席増(2-3配列)、短編成、20編成をAlstomと交渉、線路使用についてSNCF Reseauの承認。Trenitalia,Renfe,Le Trainについで4社目、今後資金調達交渉
  7. Metronom社はハンブルク、ブレーメン、ゲッチンゲンのいわゆるハンザ同盟都市間サービスのニーダーザクセン州との鉄道運営契約からの撤退を希望。人気はあるが財政困難、車両は州所有なので再入札予定、Metronomにも可能性。DB Regioの子会社Start Deutschland GmbHがこれらの路線運営に参加するケースも多く、差引DB路線は増加している
  8. Rhätische Bahn(RhB)は運転手不足のため一部運行をバスに切り替え
  9. 日本にもバスを納入している 経営破綻のVan Hoolのtakeover bidは再スタートの有利性も考慮しVDLとSchmitz Cargobullに認められ、それぞれバス部門と貨物車部門を引き継ぐ
  10. 車両研究―コンサルタントのReinhard Christeller はグレー、グリーン、ホワイト水素の採掘、精製、動力利用の問題点を論じ水素牽引は最新の技術を使っても広範囲に採用するのは難しいと指摘
  11. その他情報

【出席者】

岩沙克次、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木敏明、菅建彦、曽我治夫、前田喜代治、遠藤俊太郎、高橋八州男、西江勇二

第90回 海外交通政策資料研究会

第90回 海外交通政策資料研究会
2024年2月8日(木) 15:00

【議題】

  1. Wes Edens’Vegas-To California Bullet Train Moving Ahead With $3Billion Federal Grant
  2. ・Trans-European Transport Network (TEN-T):Council and Parliament strike a deal to ensure sustainable connectivity in Europe
    ・Europe to strengthen TEN-T network requirements
  3. Belgian state ups stake in struggling Lineas
  4. 欧州で露呈、鉄道車両「メーカー主導開発」の限界
  5. アジア地域鉄道プロジェクト関連情報
  6. 列車もリニアGo 既存線路上での車両磁気浮上
  7. 鉄道輸出の論点

【議事概要】

  1. 米国唯一の民間旅客鉄道Brightline所有者のWes Edenの米国初の民間高速鉄道計  Las Vegas~California (218マイル)Bright Line Westに30億ドルの政府資金、オリンピック開催の2028年開業を目指す。一方1,000億ドル計画のCalifornia高速鉄道のMerced~Bakersfield間(開業は30年以降)に31億ドルの政府資金。いずれも2021年の共同法案インフラ整備法によるもの
  2. EU理事会議長国と議会交渉担当者は12月18日TEN-T開発のためのガイドライン規制の改定に暫定合意。コアネットワークは2030年までに、拡張コアは2040年までに、包括的ネットワークは2050年までに完成見込み。ERTMSの展開、標準軌道への移行、旅客幹線は2040年までに時速160㎞以上、貨物列車長740mの増加。積み替えターミナルの増強、自動車交通用の整備された道路と安全駐車場の設置、都市ノードごとに持続可能なモビリティ計画(SUMP)設定、424の主要都市全てでゼロエミッションモビリティを推進。複合ターミナルの設置義務、年間1,200万人以上の空港と高速鉄道との接続、欧州調整官の設置、財政セーフガードの導入、国家計画と9回廊の整合性監視、4回廊をウクライナ、モルドバまで延伸、ロシア、ベラルーシの国境接続の格下げ等を含む。なおTEN-TはEU全体の鉄道、内水路、近海航路、道路ネットワークであり、ヨーロッパ主要都市と港、空港、鉄道ターミナルの結節などにより持続可能な環境適合ネットワークを目指す。20日以内の文書合意の上近く立法化予定
  3. ベルギー政府は多大の損失を出している貨物運行会社LINEASに対し政府ファンドによる増資によりシェアを45%に拡大、仏投資ファンド55%、損失幅を縮小、2025年の黒字化を目指す
  4. SBB 2010年Bombardierと契約のIC、IR用高速車両DESTOの度重なる納入遅延により2013年運行開始予定が2018年となり、Bombardierと合併後のALSTOMは2023年強制振り子システムWAKOの導入を断念、8両編成6本相当分を納入遅延補償金として支払。スイス自国メーカーSTADLERは250km/hまで生産
  5. アジア開発プロジェクト JICA インド政府とムンバイ~アーメダバード鉄道建設工事第5期を中心に4,153億円の借款契約、双日は電気工事を受注。タイ首相、タイ湾とアンダマン海を結ぶランドブリッジ計画を発表、深海港と陸上交通路の建設計画。JICAホーチンミン市鉄道建設計画に借款契約。クアラルンプール~シンガポール間高速鉄道計画、日本側撤退。台湾国有鉄道の運営は台湾鉄道管理局から台湾鉄路公司に承継。中国鉄道科学研究院にBIM実験室と鉄道通信信号スマートメンテ研究センターが設置された
  6. ポーランドNEVOMO既存レール上で台車を浮上させる実験に成功、欧州各国が関心
  7. 鉄道の海外進出に関連し、トータルシステム建設や車両輸出、個別システム(車両保守、軌道保守、運行システム、動力方式、安全、サービス、訓練、通信、信号、出改札、予約、経営組織、規格等)や都市計画、用地買収、商社機能、人材育成、相手国の思惑など、さまざまな観点から議論

【出席者】

岩沙克次、川﨑孝夫、河上峻、佐藤芳彦、菅建彦、西江勇二、前田喜代治

令和6年2月5日「交通研究委員会」

交通研究委員会が令和6年2月5日(月)に開催されました。

講 師:日本電信電話㈱ 執行役員研究部門長 木下 真吾 氏

演 題:「NTT研究所が描く次世代ICT技術、IOWNとNTT版LLMの展望ついて」

第89回 海外交通政策資料研究会

第89回 海外交通政策資料研究会
2023年12月7日(木) 15:00

議題・資料

  1. 海外交通政策概観
  2. アジア地域別鉄道プロジェクト情報
  3. Biden announces $16.4B in new funding for Amtrak’s Northeast Corridor
  4. TSA Renews Rail Security Directives
  5. RER NG enters service in Paris
  6. Gotthard Base Tunnel :
    ・Cracked wheel caused Gotthard derailment,but ‘could not have been detected’
    ・Passenger service resumes Gotthard Base Tunnel
    ・Gotthard Base Tunnel reparation costs to exceed 100 million euros
    ・Zwischenbericht der Schweizerischen Sicherheitsuntersuchungsstelle SUST

議事概要

  1. EU 9月に50カ国、3000カ所でさまざまな持続可能なモビリティのための EUROPEAN MOBILITY WEEK行事が行われた。Fortress Investmennt Group 出資のBright line Train(Orland~ Miami間378km 3.5時間)開業、2027年Las Vegas~南カリフォルニア線開業予定。英スナク首相HS2のバーミンガム~マンチェスター間建設中止表明、ロンドン~バーミンガム間建設の遅れ、ロンドンのユーストンターミナルの変更、節約建設費の使途、環境対策等で反対論。バイデン政権$653Mの港湾投資発表。DB Arrivaの売却決定、DB Shenkerの売却も検討。世論調査によると€49 DBチケット値上げは3割の逸走、交通事業者の損失も問題、DB賃上げ、インフレ補償などでスト継続。アムステルダム駅改良のためユーロスターアムステル線運休予定、ディズニーランド行きは今夏で中止。独交通相 労組EVGと協力従業員の尊厳を求めるキャンペーン
  2. インド MAHSR 100kmの高架橋完成、バングラデシュ ダッカのMRT6号線一部区間完成、シンガポール 新鉄道試験センター第1期完成、インドネシア国鉄 KAI 人材育成分野でのJR東日本との協力を2024年まで延長、韓国 現代ロテム 全羅線でLTE企画の無線列車制御システムKTC S-2供用開始、JR東海 台湾高鉄と協力覚書締結、カザフスタンと中国 第3の鉄道リンク250kmの建設覚書締結
  3. 米 大統領主導による $164億のアムトラック北東回廊支援策を発表、老朽橋梁、トンネル取替のほかハドソンリバートンネル、ペンステーションアクセス、イーストリバートンネル、メトロノースとの協調プロジェクトも含まれる
  4. 米 TSA(Transportation Security Administration)は関係業界、国家安全省のCybersecurity and Infrastructure Security Agency(CISA)、FRAを含む政府機関と協力のもと客貨鉄道、パイプライン業者のサイバーセキュリティに関する3指令を改定、輸送の中断劣化を避けるためアセスメント計画、報告、責任者の固定等の対策をとる
  5. パリÎle-de France MobilitésはTrancilien SNCF voyageurのRER-E線にAlstom製の次世代型新型車両56編成(6両1560人/編成)を投入、延伸を見込み追加37編成、D線用に38編成(7両1800人・編成)を予定、回生ブレーキ、1.5kv,25kvの両用、ETCS,KVB列車制御システム等を装備
  6. Swiss Safety Investigation Board(SUST)の中間報告 Gotthard Base Tunnel で貨物列車14両目が脱線側線進入、安全扉に激突した事故原因を車両、運行、施設の面から検討しスウェーデン製solid車輪Type390 の亀裂破損であるとした、2008年製、検査後14万キロ走行 Joint Network Secretary(JNS)のBroken Wheelsに含めるべきとし、運輸省(FOT)は現在125社使用中車両の強制チェックを命じる見込み、欧州レベルでの調査、対応も、全面開通は2024年9月以前には見込めず SBBは損害額€103m~135mと見込んでいる

出席者

岩沙克次、岩橋洋一、河上峻、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木敏明、菅建彦、前田喜代治、高橋八州男