海外交通政策資料研究会 第34回

海外交通政策資料研究会 第34回 議事録

日時 201374日(木)1500

議題及び資料
 1 EU Package 4Interoperabilityに関するCouncilの合意
 
2 EU委員会 Eurostar料金について対英仏声明
 
3 EU委員会  ドイツの会計分離について督促
 
4 EU TEN-T計画の改定合意
 5
 仏国 Commission Mobilité 21 の報告書
 
6 独国 ICEのユーロトンネル利用
 
7 米国 共和党の予算政策と鉄道関係予算案
 
8 米国 CHSRAの工事着工
 
9 米国 MAP21とトランジットの改良
10 米国 新運輸長官

報告及び議事内容
EU閣僚理事会は610日、Interoperabilityに関する委員会提案の方向性を承認した。1月承認の第4パッケージの一部をなすDirectiveの改正、車両の統一承認、ERAの機能強化を含み、11月のEU議会承認を目指す★EU委員会は英仏に対しユーロトンネルのチャージとユーロスター及び貨物の運賃の高水準、参入制限を指摘し、独立の規制官の設置を求めたが、両政府はルールに従っていると反論、ユーロトンネル会社も見解を表明した★EU委員会は620日、ドイツのインフラと鉄道事業の会計分離に関し、持ち株会社と子会社間の利益移転協定、補助金の使途不明確などの早期是正と2カ月以内の回答を求めた★EU530日、現行TEN-T計画のパッチワーク的な道路、鉄道、空港、水運計画を統一した新しい計画に移行することを委員会、理事会、議会で合意した。鉄道は20142020年のConnecting Europe Facilityの融資を重点化し、2030年までにERTMS信号方式を備えたネットワークを完成、2050年には各都市からネットワークへのアクセス時間を30分以内とする★フランス交通インフラ計画(SNIT25年間で2450億€の投資計画)の具体化検討委員会“Mobilité 21”が昨年10月に設置され627日に答申をまとめた。交通システムの現状と財政の見地からインフラ利用の質の保証、サービスの質の向上、鉄道全体のパフォーマンスの改善、交通ファイナンスとガバナンスの改革を柱とし、20142030年、20302050年、2050年以降の段階別プロジェクトに分け、更にAFITF(運輸インフラ資金局)の現行と資金追加を想定した2つのシナリオにプロジェクトを分類、第一段階ではそれぞれ80100億€と280300億€を想定、鉄道では隘路部分へ重点化を提案★ユーロトンネルは開業以来20年間の独占的運用が解除される見通しとなり、ドイツはICE-3の引き渡しを受けて2016年からフランクフルト、ケルン、アムステルダムとロンドン間の直通運転を計画、到達時間短縮を目指す★共和党が多数を占めるアメリカ下院の予算委員会は運輸省、住宅都市開発省の予算を現行より44億ドル少ない440億ドルと見込み、30億ドルの大統領追加要求の高速鉄道及び景気刺激策による運輸省補助金を認めず、アムトラックの運営補助21%カット、資本予算を暫定予算より3.5憶ドル、大統領要求より15億ドル減じた案をまとめる★カリフォルニア高速鉄道会社は2022年開業見込みのMercedSan Fernando Valley480kmの最初の47km 区間MaderaFresno間工事約10億ドルをTutor Perini Corpのコンソーシアムと契約した★アメリカSAFETEA-LUに代わるMAP-21State of Good Repair Grantsによりバスシステムも加えTransitの老朽化対策が進められることになった★62日、アメリカ新運輸長官にCharlotte市長時代に交通問題に功績を残したAnthony Foxxが就任した。

平成25年6月10日 交通研究委員会報告

交通研究委員会は平成25年6月10日(月)に行われました。

 講師:青山学院大学 国際マネジメント研究科教授  福井義高氏

 演題:「鉄道は生き残れるか:ある公共事業の半世紀」

海外交通政策資料研究会 第33回

海外交通政策資料研究会 第33回 議事録

 日時 201359()1500

 議題及び資料
米 2014年 予算教書 運輸関係
2  California State Rail Plan
3  英国鉄道の評価
4  ETR1000
5  Eurostar輸送実績と新規サービス
6 中国鉄道の負債
7 台湾高鉄情報
8 タイ鉄道投資計画
9 オーストラリア高速鉄道計画
10  RATP DevShenyang LRT
1  Yongin LIGT METRO

 報告及び議事内容
★アメリカ2014年度の運輸関係予算要求は770億ドル(20126%増)。また、雇用、経済強化の意味も含めて交通緊急対策として500億ドル。うち鉄道関係は66億ドルと緊急対策50億ドル、トランジット関係は109億ドルに緊急対策等を含め199億ドル、MAP-21関係は530億ドルである★本年3月カリフォルニア州運輸局(Caltran)2040年目途のDraft State Railway Planを発表。高速鉄道(CHSR7月着工を前に公聴会を経て6月に最終版発表予定である。2008年の旅客鉄道投資改良法(PRIIA)による高速鉄道、都市間鉄道、近郊鉄道計画であり、トランジット、貨物、道路計画を含めた運輸計画の一環である★Rail NewsによるとEU委員会はイギリス鉄道を旅客満足度、安全、モーダルシフトの観点から1990年代以降EU27国中最も改良された鉄道と評価したが、2000年以降の利用料金の上昇も指摘した(EUリポート未確認)FSは時速400キロのETR1000を公開した。8両編成50セット、4等級、471席、16電動機であり、2014年からミラノ・ローマ間で時速360キロ運転による時間短縮を目指す。競争相手のNTVAGV Italoによる360キロ運転を計画★2012年ユーロスターは旅客2%増、収入微減にもかかわらず営業利益が倍増した。今後旧車両の改良とVelaroの導入を計画、ロンドンとエクサンプロバンス間の試運転を開始したが路線拡大を検討している。SNCFが過半、間接的にイギリス政府40%、SNCB5%を所有★中国旧鉄道部は解体され、317日監理部門を分離、債務と資産を継承し1.04兆元の資本金で中国鉄路総公司が発足した。3月末の債務は2.84兆元、総資産は4.56兆元、負債比率は62.31%、昨年末より若干増。第一4半期の収支は68.8憶元の赤。本年度5.2億元のインフラ投資と5,200キロの新線開業を見込む。債務の取り扱いは今後検討される見込み★台湾高鉄利用者増、営業成績順調、自由席を増加した。新駅南港への延伸、運行システム等についてJR東海と協調関係★タイ政府は4標準軌旅客新線、メーターゲージ区間の複線化などで676億ドルの投資を計画、さらに都市間、首都圏鉄道、メトロの延伸などを含む7年計画を提案した。Trans-ASEAN ネットワーク、雇用も考慮、50年で回収し、債務のGDP50%超を避ける★411日オーストラリアのコンソーシアム1748キロの複線電化、時速350キロの高速線計画のフェイズⅡを発表、2065年を目指す。国民的議論を期待★Shenyang市は71日開業予定のLRT運行をフランスRATP DevTransudev3年契約、運行会社は市が51%出資、架線なしのLRTCNR Changchun30両を供給する。フランス側は香港、南京、マカオ、ソウルに次いでアジアで5番目★韓国Yongin18.1キロ15駅、自動運転のEverline Light Metro429日開業、ボンバルディアと韓国企業で構成するYRTC35年の契約受注、途中騒音、安全問題で国際仲裁裁判所への提訴もあり開業が遅延,ボンバルディアが30両と運行システムを提供、170人の雇用を確保する★1月に開業したFigueresBarcelona間でTGV Dasyeの乗り入れに関しETCS Level1の互換性問題がありTGVAVEの両国内の相互乗り入れを見合わせている。

 

海外交通政策資料研究会 第32回

海外交通政策資料研究会 第32回 議事録

日時 2013314日 (木)1500

議題及び資料
EU Fourth Railway Package
EU 司法裁判所 上下分離に関する4ケースの裁定
3 Rail欧州 Vision ‘Challenge 2050’
4英 Brown Review of Rail FranchisingProgramme
5 当面のフランチャイズ プログラムの変更
6英 鉄道産業のための長期車両戦略 
7英 Crossrailの車両調達を公的ファイナンスに切替
8仏 Grand Paris Express計画の具体化
9仏 Ouigo low cost TGV
10 西 新運賃制による高速線旅客増
11 鉄道機構改革
12 PTC計画の遅延
13 NEC計画の環境評価と合意形成 
14 高速鉄道の計画遅延についてのOIGの監査報告

報告及び議事内容
EU委員会は130日円滑な旅客ネットワーク形成のためのFourth Railway Package提案を承認した。①参入のための車両、安全に関する審査をEU鉄道機関に引き上げ行政手続きを簡略化する②2019年以降旅客の競争及び公共市場を開放する③公平なアクセスを担保するためインフラマネジャーは、投資計画、列車運行、保守、ダイヤの能力を強化しかつ効率的非差別的でなければならない。組織分離ができないときはファイアウォールを設ける④新旧交代と競争市場に対応できる良質の労働力の確保に努める★EU委員会が提訴した指令91/440問題につきEU裁判所は228日ハンガリーとスペインは違反、オーストリアとドイツ(holding 方式)は合法と裁定した。★CERUNIFEで運営されているEuropean Rail Awardsにおいて226日、関係者の協力を得てUIC ワーキンググループがまとめた’Challenge 2050’が発表された。2050年の鉄道の姿を描き政策、利害関係者、業界の指針となるものである★英国運輸省は、フランチャイズについてのBrown Reviewを発表した。鉄道改革以降92%の旅客増があり基本的なシステムに問題が無いが、運輸省の対応強化,期間、経済変動や政策などの責任外のリスク対応、サービス評価、身近な機関による監視等の改善点を挙げた★英国運輸省は131ICWCの他の4フランチャイズの暫定期間を含む契約改定のプログラムを発表した★英国鉄道関連機関は2042年までに旅客増と電化により現在の8,500両に対し、4,000両の取り換えを含む13,000~19,000両の電車の新製が必要という’Long term passenger rolling stock strategy for the rail industry’をまとめた★民間資金によるロンドンCrossrailの車両とデポ計画を、市が補助金と直接資金調達に切替2018年開業を目指すことになった★Grand Paris Express 計画は72駅、200キロとして11号、14号線の延伸から計画着工される見通しになった★ローコストTGV OUIGOが改良車両を使いパリ近郊Marne-la-Valleeからマルセイユとモンペリエ間で運行される★市場順応型運賃制度の導入によりスペイン国鉄の輸送需要の急増が見込まれている★中国鉄道部が廃止され、企業分野は鉄路総公司に、安全管理を鉄路局に、総合業務は交通運輸部に帰属される見込み。鉄道部の債務2.66兆元(年利150億元、資産負債比率約62%)の帰属が問題となっている★米国PTCの車上、地上設備の設置が進むが規模、資金面で議会で決められた2015年までの完成は極めて困難★FRANEC Futureという組織を作り2015年の工事認可を得るべく環境調査を実施中★米DOT内の監査局が高速鉄道計画の予算執行の遅れについて関係者の合意形成の遅延を指摘した

 

海外交通政策資料研究会 第31回

海外交通政策資料研究会 第31回 議事録

日時 2013124日 (木)1500

議題及び資料
  AMTRAKの改良計画と次世代高速車両導入計画
英 Network Rail2014~2019のビジネスプラン
西 Barcelona~Figueres間高速線開業
西 ITVI 2014-2024
5  仏 SNCFの料金改定
中国 北京―広州高速線の完成 
中国 中国―カザフスタン第2連絡線の開業 

  報告及び議事内容
  
★アメリカ下院運輸委員長交代、AMTRAK社長改良計画の説明と乗客急増の北東回廊に対応するためAcelaに代わる次世代高速車両計画(軽量,車両幅拡大、定員増、220mph)を発表、カリフォルニア高速鉄道とAMTRAKが共同して車両の調達、FRAの安全基準の変更に働きかける★イギリスのインフラ保有会社Network Railは政府の第5期の投資計画作成要請に応え20142019の戦略的ビジネスプラン(£37.5bn)を発表★バルセロナ~フィグエレス間の高速鉄道線の建設が完了し、RENFESNCFの相互乗り入れが実現、マドリッド・パリ間の、直通も計画されている★スペイン勧業省のインフラ、交通、住宅大臣は9月に2012~2024のインフラ・交通・住宅計画(PITVI)をまとめた。GDP0.9 4%の投資,交通施設の利用効率の向上を図る★SNCFは1月24日からのTGV,Intercity,TER運賃の平均2.3%の値上げと26億ユーロの投資計画を発表した★途中区間の工事完成により北京・広州間2298㎞の高速線サービス(計画時速350キロ現行300キロ、所要時間7時間59分)が開始された、中国カザフスタン間第二の連絡線が開通し中国・中央アジア・欧州間の交通量の増大が見込まれる

旧国鉄関係資料研究会

旧国鉄関係資料研究会議事録

 

開催日時  平成241129日 15

議事内容
最近の清算業務について説明があり、所要の資料をファイルすることにした。
1恩給、年金の給付のための支払い、業務災害補償、資金運用、利益剰余金の国庫納付の状況

2土地処分及びその実績、関連開発計画等(武蔵野操車場、梅田駅及び吹田、百済その他の関連施設)、

3東日本大震災への支援、基盤整備工事の実施,JR株式処分、

4特例業務勘定の新たな業務、JR北海道、四国の経営安定化(特別債権の発行、無利子貸付、特別債券利払い)、三島、貨物会社の設備投資支援、整備新幹線、並行在来線支援のための措置

5今後の業務見通、長期に亘る年金追加費用の支払い、JR株式 土地処分(長町、武蔵野操車場、梅田等残部)、アスベスト対応、訴訟、鉱害補償 PCB処理問題、叙勲等

参考 国庫に引き継がれた関連債務残高は平成24年度末見込み約19.2兆円

海外交通政策資料研究会 第30回

海外交通政策資料研究会 第30回 議事録

日時 20121213日 (木)1500

議題及び資料
米 大統領選後の鉄道政策
2 米 中西部の高速鉄道車両への日本企業の進出
3 英 Crossrailの信号方式
4 英 フランチャイズ方式の変遷と問題点
5 獨 Siemensの車両供給遅延                                    6 仏 RFFSNCFの再統合問題
7 仏 パリT1の延伸

報告及び議事内容
 ★アメリカ大統領選後依然下院は共和党が多数を占めるが人事や高速鉄道、AMTRAK, 都市交通、PTC ,鉄道員年金問題、勤務時間など交通政策の今後の動向、カリフォルニア高速鉄道は予算が州議会で承認され近く第一工区着工予定、都市交通について市民投票賛成都市多数★日本車両・住友商事連合は9月にMetraから160両二階建て電車を受注、11Caltran42両、中西部州連合から88両の高速線車両の受注内示、後者はARRA2009)資金とPRII2008)仕様で現地新設工場中心に製造される見込み★2018年開業予定のロンドンCrossrailの都心地下部分は自動運転方式としSiemensInvensys Railのコンソシアムが受注。他区間は現行方式だが車両はGreat Western Line 採用予定のETCS Level 2を採用、将来のETCS Level 3移行をにおわせている。その後SiemensInvensysを買収した★イギリス鉄道のレビュー、監督管理機構の変遷、契約期間の変更、フランチャイジー数、TOCの数、権限移譲法による移譲、オープンアクセスオペレーター、ネットワークレール、需要動向、補助金、事故数の推移などを検討★Siemensの車両引き渡し遅延問題★仏鉄道改革RFFSNCFの統合問題、サービス、財務健全化、職員との社会契約、門戸開放の視点★パリT1の延伸とトラムの整備状況