第96回 海外交通政策資料研究会

第96回 海外交通政策資料研究会
2025年4月17日(木)14:00

【議題及び資料】

  1. アジア地域別鉄道プロジェクト関連情報
  2. Singapore Rail Test Centre
  3. Amtrak CEO Gardner leaves as operator pushes back against Musk’s privatisation drive
  4. ヨーロッパ高速鉄道オープンアクセス情報
  5. German coalition agreement includes rail reform and electrification
  6. Wenn “mittelmäßig” eine gute Nachricht ist

【議事概要】

  1. インド:JICAとインド政府は、デリーメトロネットワーク第4フェーズの追加回廊にかかる4,649億ルピーを含めた6つの事業を対象とする円借款貸付契約に調印した。チェンナイメトロでは、フェーズ2プロジェクト(116.1km)の12年間の運用保守(O&M)契約について、DB IO(ドイツ鉄道インターナショナルオペレーション)とデリーメトロレールが入札した。ミャンマー:中部で4月に大地震が発生。日本政府が国際援助隊・医療チームの派遣を発表。テント、水、浄水器、衛生用品等を提供予定。タイ:バンコク都心部プラトゥーナーム界隈の再開発を計画。「バンコクの新宿」がコンセプト。建設中のMRTオレンジライン(地下鉄)の開業に合わせた街の再生に乗り出す。また、SRT(タイ国鉄)は、JR東日本から譲渡された「キハ40」「キハ48」20両のうち6両を年内にバンコク郊外の路線に充当すると発表。カンボジア:プノンペンにおける都市鉄道(メトロ)導入に向けた予備調査を開始。データ収集や関係機関との協議を重ねている。ベトナム:ホーチミン市人民委員会が、今後10年間で全長355km・7本のメトロ路線を整備する計画を発表。これには402億USD(約6兆円)の投資が必要で、計画の進捗を確保するには年間40億USD(約6000億円)が必要となる。国家予算・地方予算、TOD都市開発による収益、債券発行による資金確保を計画。韓国:ポーランドKombudグループの子会社Rail-Mil Computersと韓国のSTraffic社が鉄道及び地下鉄の制御システム供給を目的とした戦略的提携関係を締結。台湾:日立製作所や東芝を中心とする企業連合「HTSC」が、台湾高速鉄路(台湾高鉄)と「新世代列車購入契約補足協定」を締結。新型列車は2027年後半の運行開始を予定。フルアクティブサスペンション等を装備し、授乳室の充実、車椅子席数増、車椅子固定装置の設置等も行う。中国:中国総合立体交通網総運営キロ数が600万kmを超え、「6軸7回廊8幹線」の90%が完成したと発表。高速鉄道48万営業キロ、高速道路19万営業キロはともに世界一だとしている。イラン:イラン国鉄(RAI)の旅客部門の子会社Raja旅客輸送会社は、テヘランと東部トルコのヴァンとの間で、国境を越える旅客輸送サービスを再開。週2往復の設定で、起終点間の所要時間は22時間。
  2. 2025年3月、シンガポールで鉄道試験センター(SRTC)が公式オープンした。敷地面積は約50ha。フェーズ1の高速試験線は2023年11月に完成しており、100km/h超の列車の試験を行うことができる。今回、フェーズ2として延長3.0kmと2.8kmの周回(ループ)線が加わり、計3つの試験線を有する試験センターとなった。これにより直線の高速線と総合的な試験を行う周回線、勾配を持ち長距離走行試験が可能な周回線を揃え、24時間運用が可能となっている。このセンターは省エネルギー性能の高い施設として認証を受けている。
  3. 2021年からアムトラックのCEOを務めていたガードナー氏がイーロン・マスク氏によるアムトラックの民営化推進に反発し辞職した。ロイター通信はトランプ政権から辞任を求められたと報じている。ガードナー氏はマスク氏によるアムトラック民営化への言及からわずか数週間でアムトラックを去ることとなった。アムトラックは、民営化構想に対し「白書」を公開して異議を唱えている。例えば、英国による鉄道の民営化と最近の再国有化の状況等を示し、さらに、過去の民営化の試みはアムトラックに良い結果をもたらさなかったとしている。なお、アムトラックは、ニューヨークとワシントンDCを結ぶ区間で2024年度の旅客数がコロナ前・2019年度比12%増になったとしている。
  4. イタリア:イタリア国鉄のFSグループがパリ~ロンドン間を結ぶ高速鉄道サービスを2029年に開始すると発表した。環境負荷が小さく航空輸送に代わる選択肢を提供するとともに、顧客を中心に考えたモビリティセクターとなることを目指す。トレニタリアのストリシュリオCEOは、「イタリア高速鉄道は成功モデルで、目標は欧州各国への拡大である」としている。さらに、土砂崩れによって運休になっていたミラノ~パリ間の毎日2回の運行を再開を発表した。現在トレニタリアはフランス国内3つの線区で輸送サービスを提供しており、特にレジャー客の国際輸送に強いが、ビジネス旅客にも重要な役割を果たすとしている。フランス:フランス国鉄(SNCF)のCEOは、パリ~ミラノ間のサービス再開にあたり、2024年現在は22%である国外での活動を2030年までに30%に引き上げる目標を掲げた。
  5. ドイツ連邦の連立政権は、DB(ドイツ鉄道)の改革と電化の促進、地域交通パスの継続を含む連立合意を行った。キリスト教民主同盟と社会民主党の連立政権は、国が100%保有するDBについて、鉄道改革、電化、地域交通パスの継続で合意した。DBは、インフラの維持・更新のために2034年までに追加で1,500億ユーロが必要だとしており、特に需要の多い線区に優先して配分する。デジタル化とETCS対応、電化のための財源についてはそれぞれ環境ファンド等を活用する。また、線路使用料の刷新も予定される。新政権は月58ユーロ(1月に49ユーロから値上げ)で地域公共交通が限度なく利用できる「Dチケット」を継続したいとしている。
  6. DBは2024年の「ネットワークの現状に関する報告」で、インフラの状況を自己評価した結果の平均値が「3.00」であったことを公表した。これは、各評価項目について「1:新しい ~ 5:不足がある」として評価したものの平均で、3.00はちょうど中間の状態である。2023年は3.03で、0.03ポイント改善した。DBインフラ企業のDB InfraGO代表は「200億ユーロの投資の結果、インフラの状態が悪化しているトレンドからの転換が図られた」としている。一方、貨物鉄道に関しては状況が悪化し、平均4.12(前年4.02)となった。およそ4,000ある信号所は約半数が「悪い」「不足がある」「制限がある」状況で、早急な維持もしくは更新が必要である。DBでは多くの設備が設置後100年以上経過しており、いまだに手作業での操作が必要となっている。

【出席者】
岩沙克次 遠藤俊太郎 川﨑孝夫 佐々木拓二 佐々木敏明 佐藤芳彦 菅建彦
曽我治夫 高津俊司 高橋八州男 西江勇二 東充男 前田喜代治

第95回 海外交通政策資料研究会

第95回 海外交通政策資料研究会
2025年2月13日(木)15:00

【議題及び資料】

  1. アジア地区プロジェクトの動向
  2. Prototype 450 km/h high speed trains unveiled in China
  3. JR East seeks foreign workers to fill skills gaps
  4. 英国における鉄道再国有化の現状と展望
  5. First British operators to return to public ownership
  6. Co-operatively owned Go-op approved to launch open access train services
  7. Transport Secretary sets out five priorities for Shadow Great British Railways in 2025
  8. << Nous sommes en train de recruter quarante personnes>>: a pres sa ligne Paris-Lyon, Trenitalia veut lancer des TGV Paris-Marseille avant l’ete
  9. CDU-Pläne zur Zerschlagung der Bahn
  10. „Null Effekt auf die Pünktlichkeit der Züge“ – Wissing warnt vor Zerschlagung der Bahn

【議事概要】

  1. インド:ムンバイ~アーメダバード高速鉄道(MAHSR)プロジェクトの信号通信システムの入札を実施。デリーを中心とする首都圏地域では地域高速輸送システム(RRTS)の通勤列車が13km延伸。タイ:タイと中国による共同事業の高速鉄道プロジェクト(251km)で、工事が遅延している契約3件の完工期限を最長2年延長。2017年に着工し2021年完工予定だったところ、開業見通しは2027年に。カンボジア:首相が国内鉄道網の改良を進め輸送効率を向上させるよう指示。首相は「高速鉄道のような巨大投資は必要ない。既存線の改良で充分」と述べ、現状からの発展に重点を置く方針。日本から11両の旅客車両を導入。ベトナム:NXベトナム有限会社がハノイとホーチミンを結ぶ南北鉄道サービスを拡充し混載サービスを開始。マレーシア:中断しているクアラルンプール~シンガポール間高速鉄道の実現に向けた対応を協議。シンガポール:Hitachi Rail と地下鉄運営会社(SMRT)が次世代グリーン通信ベース列車制御プロジェクトを実施。韓国:現代ロテムが台湾・桃園市の無人地下鉄車両を発表。グリーンラインは自動化レベル4(GoA4)を予定。ウズベキスタン:ウズベキスタン国鉄(UZ)が、タシュケント~サマルカンド間(約300km)の高速鉄道建設のF/S実施に韓国のコンソーシアムを指名。韓国輸出入銀行による経済開発協力基金を活用。中国:中国鉄道(CR)は、現在48,000kmに及ぶ高速鉄道総延長が2030年頃までに25%拡張され60,000kmになると予測。
  2. 中国中車(CRRC)とCRは、営業運転速度400km/h、最高速度450km/hの試作車CR450を公開。先頭形状が異なる2つの編成があり、いずれも4M4T。技術的な根拠を含めた詳細は明らかでない。
  3. JR東日本がJARTSを含めた複数のオーガナイザーの協力を得て外国人労働者を募集・育成。2月下旬よりインドネシア、ベトナムから25名をリクルートし、訓練・雇用のプログラムを開始する。訓練は白河市のJR東日本総合研修センターで行われる。
  4. 英国では、過去のフランチャイズ制度の限界と新型コロナウイルスによる経営破綻を背景に鉄道国有化が進められている。ネットワークレールは、今後グレートブリテン鉄道(GBR) への統合を通じて再編され、政府の適切な管理と民間の柔軟な運営のバランスが求められる。
  5. 英国運輸省(DfT)は、南西鉄道(SWR)がフランチャイズ事業の国有化を行う初の事例となることを発表。2025年5月25日のフランチャイズ契約満了をもって公有化される。このほか、英国各地で順次フランチャイズ契約の満了に伴い公有化が進められる。
  6. 英国で共同組合によるスタートアップ企業のGo-opが行うオープンアクセスの旅客列車サービス計画が認められた。必要な手続を経て、Go-opは遅くとも2026年12月までに運行を開始する必要がある。
  7. 英国運輸大臣は、鉄道における2025年の優先課題として、(1)鉄道運行事業者とネットワークレールの統合による重複の排除と管理の簡素化、(2)運行パフォーマンスの向上、(3)運賃体系とチケットの見直し、(4)イノベーションの推進、(5)鉄道の枠を超えた積極的な変化、の5つを掲げ、安定運行による信頼獲得といった基本的な取り組みが必要とした。
  8. トレニタリア社は、パリ・リヨン線に次いで、パリ・マルセイユ間のTGVを夏前から運行する構想を発表。メンテナンスの一部はパリにあるSNCFの施設を借り受けて行う。具体的な運行開始時期は不明。
  9. ドイツ連邦議会選挙を前に、保守系の主要政党であるキリスト教民主同盟(CDU)/キリスト教社会同盟(CSU)が、ドイツ鉄道(DB)グループ傘下にある鉄道インフラ部門と鉄道運行部門の分離を柱とするDB解体計画を発表。ベルリン中央駅に数百人の労働組合員が集結し「素人の日和見主義」と抗議。
  10. ドイツ自由民主党(FDP)及びCDU/CSUが主張するDB解体計画に対し、現職の連邦交通大臣(元FDP)が「定時運行率向上への効果は全くない」と警告。現在各地で進んでいる鉄道インフラの大規模改良計画だけでなく建設産業にも影響が及ぶと指摘。

【出席者】
岩沙克次 遠藤俊太郎 佐々木拓二 佐々木敏明 佐藤芳彦 菅建彦 曽我治夫 
西江勇二 前田喜代治

第94回 海外交通政策資料研究会

第94回 海外交通政策資料研究会
2024年12月5日(木)15:00

【議題及び資料】

  1. アジア地区プロジェクト情報
  2. Vietnam approves $67 billion high-speed railway project between Hanoi and Ho Chi Minh city
  3. Transport Secretary fires the starting gun on rail reform as Public Ownership Bill reaches final stages in Commons
  4. Hitachi to develop next generation CBTC in Canada
  5. Integrating FRMCS: Enhancing rail communications with 5G technology
  6. Railcoop
  7. 激動する世界 置き去りのドイツ
  8. RENFE enters Italian passenger market with Arenaways stake
  9. Zehntausende Bahnfahrer betroffen: Zug-Lieferung für den Nordwesten zum vierten Male verschoben
  10. Nicht genug Abstellgleise: Bahn fehlen Parkplätze für ICE-Züge in Berlin
  11. その他 ニューヨーク、Grand Central駅の近況

【議事概要】

  1. インド:西部の高速鉄道(MAHSR)敷設に必要なスラブ軌道の製造工場を西部グジャラート州スーラト近郊に開設。ミャンマー:ヤンゴン環状鉄道向けDEMU車両を導入。タイ:運輸相が来年9月までの交通渋滞税導入実現を明言。ベトナム:670億ドルを投じた高速鉄道プロジェクトを議会が承認。フィリピン:JR 東日本とパリ交通公団の子会社「RATP Dev」が、南北通勤鉄道事業の入札に向けた協力に関する覚書を締結。台湾:新幹線の海外展開を目指す「国際高速鉄道協会(IHRA)」が台湾高速鉄道(台湾高鉄)と共催で台北市内にて全体会議を開催。マカオ:LRT新線「横琴線」開業。三菱のAGTシステム一式を採用。参考:ロンドン交通局がエリザベス線の運営を東京メトロや住友商事などの合弁会社「GTSレール・オペレーションズ」に委託すると発表。
  2. ベトナム政府がハノイ・ホーチミン間1,541kmを最高速350km/hで結ぶ670億USドルの高速鉄道プロジェクトを承認。2027年着工、2035年開業を目指す。
  3. 英国運輸長官が鉄道公有法案を最終段階に移行。鉄道改革の号砲発射。遅延・運休等が続く英国の鉄道サービスを改善したい考え。
  4. 日立がカナダ・トロントのエンジニアセンターで新世代CBTCを開発するため100億カナダドルを投資。オンタリオ州・オンタリオ投資資金ファンドと協力。世界の都市鉄道での活用を見込む。
  5. 鉄道の通信システムをGSM-Rベースから5Gベースの次世代鉄道用移動通信システム(FRMCS)に切り替えることで、鉄道の将来に向けた改善が図られる。
  6. フランスに、2019年から2024年にかけて民間協同組合鉄道輸送会社「Railcoop」が存在。同社は2021年に免許等を取得、同年11月からオクシタニー地方で貨物列車の運行を開始した。2022年にはボルドー~リヨン間の旅客輸送等も計画されたが資金難のため実現せず延期となり、その後、2023年4月に貨物列車の運行を停止。同社は破産・清算された。
  7. ドイツでインフラの劣化が進み、鉄道やアウトバーンのほか、デジタル投資の不足も課題に。経済成長が止まり、国内で政治的な混乱を生じている。旧東独側では右派政党躍進の動きがあり、総選挙を経てドイツがEU離脱に動き、EU崩壊を招く懸念もある。
  8. スペインのRENFEが、アリーナウェイズ社(イタリア)の出資を受けてイタリアの旅客鉄道市場に参入する。RENFEは英国ロンドン~ウェールズ間におけるオープンアクセスの鉄道事業に関わっているほか、フランスのRailcoopを一部買収する交渉も行っていた。
  9. アルストム社は、ドイツ・ニーダーザクセン州の鉄道運営主体(LNVG)向け近郊電車34編成について2024年12月納入が困難であると発表。納入延期は4回目。納入予定は2025年12月以降で、この車両による旅客輸送は2026年3月以降になる見込み。これにより車両が不足し、2025年12月以降ハノーファー周辺で1日1万人以上の旅客に影響が出るとみられる。
  10. ドイツ・ベルリンで、工事のため高速列車ICEの留置線が不足。また、ベルリン中央駅で分岐器が足りず列車の発着に制限があり、その設置工事のため運休を計画。この分岐器は2006年に同駅が建設される際に設置される予定だったが、コスト縮減のために省かれたもの。
  11. ニューヨークで米国最大の通勤鉄道であるロングアイランド鉄道がグランドセントラル駅に乗り入れた。同駅はユネスコが2024年の「最も美しい駅」に選定しており、駅周辺では再開発も進んでいる。

【出席者】
遠藤俊太郎 川﨑孝夫 佐々木拓二 佐藤芳彦 曽我治夫 高津俊司 東充男
前田喜代治

第93回 海外交通政策資料研究会

第93回 海外交通政策資料研究会
2024年9月19日(木) 15:00

【議題及び資料・情報】

  1. アジア地域別鉄道プロジェクト関連情報
  2. Inno Trans 2024:the five big talking points
  3. European Rail Freight Association sets out priorities
  4. Bogie-mounted sensors
  5. China postpones delivery of locos to Belarus
  6. Porsche Holding in group taking stake in Greyhound owner Flix
  7. Verkehrsverbund Ost-Region の Klimatickets
  8. Klimaticketについての論評
  9. インド新幹線
  10. パリ近郊でのSNCFに対する妨害工作

【議事概要】

  1. インド新幹線7km海底トンネル工事開始。JR西日本とタイRTRDA各種支援事業協定。AIIBベトナム南北高速鉄道と地下鉄に50億ドルの公約。ホーチミン市地下鉄2号線韓国輸出入銀行と投資準備支援事業範囲の基本合意。インドネシアKCI中車青島四方から8編成の車両と新都市ヌサンタラ無人運転ATR車両を購入。フィリピン政府ADB をトランスアクションアドバイザーに任命マニラ3プロジェクトを推進、南北通勤鉄道円借款による工事で一部駅の構造物完成。9月中国213kmキルギスタン260kmウズベキスタン50kmの鉄道事業3カ国が投資協議書を締結、建設開始
  2. さまざまな成果が展示されるInno Trans 2024を控えIRJ Kevin Smithの見解。SCIは、2023年の世界鉄道産業はサプライチエーンの乱れとエネルギー高騰を乗り切り€200bnの大台に達し4%の成長を見込むが、エネルギー、コスト、ストック、資金、DAC,ERTMCS,ERTMS、モーダルシフト、世界地政学的状況、保護主義、CRRC,ALSTOM,SIEMENSなどの動向、デジタル化、業界のスキルと多様性などを指摘
  3. 欧州鉄道貨物協会2024~2029年のマニュフェストでインフラ整備、単一欧州鉄道圏、競争力の向上の3政策目標と、①整備と一時的輸送力制限への運行会社補償、②安定的な線路使用料、③ERTMS導入と車載ユニットとの調整、資金提供、④官僚主義の削減、言語・認証用件の簡素化の課題を設定
  4. 欧州貨物オペレータはAI DIGITAL社の車載センサーベースシステムの使用により、リアルタイム計測と偏積の回避、通信機器によるオペレータに情報提供、今後軌道に対する情報提供も可能になる
  5. べラルーシ向け仏・中開発の電気機関車BKG2、EU-US制裁により西欧側の部品調達ができず自国化による大幅納入延期
  6. Porsche Holding欧州でFlix Bus、北米でGreyhound を持つFlix SEの35%の株を所有すると発表。初めて消費者側プラットホームへの投資
  7. オーストリア東部運輸連合(VOR)気候変動対策チケット(Klimaticket)利用が増加、公共交通利用度が高まった
  8. ウィーン経済大学Fürst教授、ドイツ19€/49€チケット、オーストリア全国環境チケットなど年間乗り放題の乗車券の具体例を紹介。人気は高く政治家に受けるが、乗客の純増は比較的少なく運賃の経済的役割が軽視され収入減。補償も不確定。企業の経営問題が残り極めて重要な車両インフラの保守、整備などの問題が未解決だと論評
  9. インド高速鉄道 JICA借款とその負担、工事進捗の一方大幅開業遅延、新幹線車両を見込むが、国有ICF社にアジアで需要が見込める1435mm規格の車両の国内製造も指示
  10. 6月26日、パリ近郊でTGV北、西、東,南西線に対し同時多発的に放火などによる信号妨害があり、大規模な運行障害発生。SMSなどによる乗車予定者に対し周知徹底が行われた

【出席者】
遠藤俊太郎 川﨑孝夫 佐藤芳彦 佐々木拓二 佐々木敏明 菅建彦 高津敏明 西江勇二 東充男 前田喜代治

第92回 海外交通政策資料研究会

第92回 海外交通政策資料研究会
2024年6月20日(木) 15:00

【議題及び資料】

  1. Hitachi completes €1.7bn Thales GTS acquisition
  2. 光ファイバーによる異状音検知と鉄道への応用
  3. アジア鉄道関連プロジェクト情報
  4. SNCF Voyageurs plans to launch open access high speed train service in Italy
  5. Independent high speed rail operator Proxima launched in France
  6. China-Kyrgyzstan-Uzbekistan railway agreement signed
  7. Uzbekistan signs South Krean high speed train order
  8. How to launch a US high speed rail project

【議事概要】

  1. 日立レールはThalesからGTS部門を€1.66bnで買収。digital operationやcybersecurity技術、乗車券システムなどの機能向上により、収益性の高い信号、列車制御、デジタルシステム部門で取引を世界51カ国に拡大。独禁法の関係で英独仏の信号部門の一部を売却するが、伊英米拠点に加え、GTSスタッフ9000人を受け入れ独、仏、スペイン、カナダ拠点が充実し広く交通分野のニーズに対応
  2. 光ファイバーを利用した分散音響センシング(DAS) 技術により80km長までの軌道、車輪、架線、落石、動物などの異状に対応可。インドで既に実用化
  3. アジア鉄道関連 インド新幹線2026年運行開始見込み。タイ国鉄タイ高速鉄道バンコク~ノーンカーイ610km中第二期計画ナコンラーチャシマー~ノーンカーイ間357kmを承認。タイ・中国パートナーシップによる92.4億ドル投資計画。昆明とビエンチャン間は2021年完成。ホーチミン市メトロ1号線諸般のテストを終え12月にベトナム側に引き渡される予定。ジャカルタ都市高速線MRT東西線の建設支援のため1,406億9,900万円限度の借款供与。中国国鉄とロシア(RZD)はザバイカリスク~満州里を通過する第二の標準軌建設。中露間の物資輸送円滑化を協議。中国~ヨーロッパ東部間サービスネットワークに南ルートも加わり活況。欧州25国223都市、アジア11国100都市を結ぶ。
  4. SNCF Voyageurs 2026年からイタリアでopen access high speed サービス開始計画
  5. 仏Antin Infrastructure Partner が支援するProximaパリと西部を結ぶ高速オペレーターとして参入計画
  6. 一帯一路構想の一環として中国、キルギスタン、ウズベキスタン3カ国を結ぶ523km推定80億ドルの鉄道建設協定に調印。資金調達、建設、運営、保守、物流ターミナルの整備等が含まれる
  7. 韓国・ウズベキスタン協力協定の一環としてHyundai Rotemの高速列車車両の輸出
  8. US High Speed Association 時速300+kmの鉄道を立ち上げるため17ページ、5項目に関わる「High Speed Rail Project Initiation -A road Map for Advocate」を6月に発表

【出席者】

岩沙克次、岩橋洋一、遠藤俊太郎、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木拓二、佐々木敏明、
菅建彦、曽我治夫、東充男、前田喜代治

第91回 海外交通政策資料研究会

第91回 海外交通政策資料研究会
2024年4月18日(木) 15:00

【議題及び資料】

  1. London and New York outside top 10 longest metros as Chinese cites dominate
  2. 世界のメトロ データ
  3. UK government publishes Draft Rail Reform Bill
  4. A new leasing model for Europe?
  5. Request to Stop button ready for trial at Welsh stations
  6. About Coventry Very Light Rail
  7. Kevin Speed
  8. Metronom kündigt Streckenvertrag zwischen Hamburg, Bremen und Göttingen – so geht es jetzt weiter
  9. RhB streit wegen Personalmangel Züge
  10. Van Hool’s trustee have accepted the takeover bid by VDL-Schmitz
  11. DECARBONISATION Traction Technology
  12. その他
    ユーロトンネル列車容量
    ALSTOM イギリスのオペレーテング市場参加
    RATP Dev Keolisに代わりリヨンのメトロの運行(2025 1/1~)
    Messe “Mobilität erleben ” (DBME 2024) : DB zeigt innovationen für besseres Bahnfahren
    DAC-FIT 貨車自動連結の推進
    CHSRA Alstom とSiemens shortlisted
    ベトナム新線計画

【議事概要】

  1. 世界都市別、営業キロ別メトロのデータによると中国が上位を占め25都市中16都市。Moskva、London、NY、Seoul、Delhi、東京(18位)、Madrid、Singapore、Parisとなる、ただし旅客数では東京が1位
  2. イギリス政府は32pの法案と29pの説明メモ、123pの影響評価からなる鉄道改革法案のDraft Billを2月10日に発表。2021のWilliam-Shapps報告に沿って2025年までに2016年の現行法の改正作業の一環として各界の意見を求めるためのものである。1994年から始まるフランチャイズ方式を経てネットワークレールによる事実上の国有化を経て、今回Office of Rail and Roadの監督の下、新しく上下一体の組織であるGreat British Railway公社が設立され、部外委託方式による旅客サービスが開始される
  3. Siemens 地方鉄道旅行ブームもあり、これまでの売却、長期リースに換えオプション付き短期契約の車両リースプール会社STS(Smart Train Lease)を設立。当面ETCS標準整備3両編成12セット、2両編成8セットを提供
  4. イギリス特にWales に多く残るR&S(旅客の合図による列車停止)方式に代えて携帯電話のGMS通信方式利用のボタン式通知方式、可能であれば当初から列車情報を含めたGMS=Rが採用される。これにより無用の停車数が減少し動力費の減少。スコットランドではBRが開発したRadio Electronic Token Block方式が採用されている
  5. イギリスCoventryはVery Light Rail(超軽量レール)を開発、テスト中、最新の自動車技術と革新的な線路設計、施工、ルート設定を行い都市環境を向上させる。充電式車両で無架線、線路設備を地表から30㎝に収め工事費を大幅軽減。地域、市、議会、企業が協力し資金調達、他の都市にもノウハウを提供
  6. フランスKevin Speed(オープン アクセス高速コミューター会社)2028年までに運行開始を計画。パリからリヨン、リール、ストラスブルグ間、リモートワークを考慮し停車駅増、低運賃、ネット販売、定規格ダイヤ、座席増(2-3配列)、短編成、20編成をAlstomと交渉、線路使用についてSNCF Reseauの承認。Trenitalia,Renfe,Le Trainについで4社目、今後資金調達交渉
  7. Metronom社はハンブルク、ブレーメン、ゲッチンゲンのいわゆるハンザ同盟都市間サービスのニーダーザクセン州との鉄道運営契約からの撤退を希望。人気はあるが財政困難、車両は州所有なので再入札予定、Metronomにも可能性。DB Regioの子会社Start Deutschland GmbHがこれらの路線運営に参加するケースも多く、差引DB路線は増加している
  8. Rhätische Bahn(RhB)は運転手不足のため一部運行をバスに切り替え
  9. 日本にもバスを納入している 経営破綻のVan Hoolのtakeover bidは再スタートの有利性も考慮しVDLとSchmitz Cargobullに認められ、それぞれバス部門と貨物車部門を引き継ぐ
  10. 車両研究―コンサルタントのReinhard Christeller はグレー、グリーン、ホワイト水素の採掘、精製、動力利用の問題点を論じ水素牽引は最新の技術を使っても広範囲に採用するのは難しいと指摘
  11. その他情報

【出席者】

岩沙克次、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木敏明、菅建彦、曽我治夫、前田喜代治、遠藤俊太郎、高橋八州男、西江勇二

第90回 海外交通政策資料研究会

第90回 海外交通政策資料研究会
2024年2月8日(木) 15:00

【議題】

  1. Wes Edens’Vegas-To California Bullet Train Moving Ahead With $3Billion Federal Grant
  2. ・Trans-European Transport Network (TEN-T):Council and Parliament strike a deal to ensure sustainable connectivity in Europe
    ・Europe to strengthen TEN-T network requirements
  3. Belgian state ups stake in struggling Lineas
  4. 欧州で露呈、鉄道車両「メーカー主導開発」の限界
  5. アジア地域鉄道プロジェクト関連情報
  6. 列車もリニアGo 既存線路上での車両磁気浮上
  7. 鉄道輸出の論点

【議事概要】

  1. 米国唯一の民間旅客鉄道Brightline所有者のWes Edenの米国初の民間高速鉄道計  Las Vegas~California (218マイル)Bright Line Westに30億ドルの政府資金、オリンピック開催の2028年開業を目指す。一方1,000億ドル計画のCalifornia高速鉄道のMerced~Bakersfield間(開業は30年以降)に31億ドルの政府資金。いずれも2021年の共同法案インフラ整備法によるもの
  2. EU理事会議長国と議会交渉担当者は12月18日TEN-T開発のためのガイドライン規制の改定に暫定合意。コアネットワークは2030年までに、拡張コアは2040年までに、包括的ネットワークは2050年までに完成見込み。ERTMSの展開、標準軌道への移行、旅客幹線は2040年までに時速160㎞以上、貨物列車長740mの増加。積み替えターミナルの増強、自動車交通用の整備された道路と安全駐車場の設置、都市ノードごとに持続可能なモビリティ計画(SUMP)設定、424の主要都市全てでゼロエミッションモビリティを推進。複合ターミナルの設置義務、年間1,200万人以上の空港と高速鉄道との接続、欧州調整官の設置、財政セーフガードの導入、国家計画と9回廊の整合性監視、4回廊をウクライナ、モルドバまで延伸、ロシア、ベラルーシの国境接続の格下げ等を含む。なおTEN-TはEU全体の鉄道、内水路、近海航路、道路ネットワークであり、ヨーロッパ主要都市と港、空港、鉄道ターミナルの結節などにより持続可能な環境適合ネットワークを目指す。20日以内の文書合意の上近く立法化予定
  3. ベルギー政府は多大の損失を出している貨物運行会社LINEASに対し政府ファンドによる増資によりシェアを45%に拡大、仏投資ファンド55%、損失幅を縮小、2025年の黒字化を目指す
  4. SBB 2010年Bombardierと契約のIC、IR用高速車両DESTOの度重なる納入遅延により2013年運行開始予定が2018年となり、Bombardierと合併後のALSTOMは2023年強制振り子システムWAKOの導入を断念、8両編成6本相当分を納入遅延補償金として支払。スイス自国メーカーSTADLERは250km/hまで生産
  5. アジア開発プロジェクト JICA インド政府とムンバイ~アーメダバード鉄道建設工事第5期を中心に4,153億円の借款契約、双日は電気工事を受注。タイ首相、タイ湾とアンダマン海を結ぶランドブリッジ計画を発表、深海港と陸上交通路の建設計画。JICAホーチンミン市鉄道建設計画に借款契約。クアラルンプール~シンガポール間高速鉄道計画、日本側撤退。台湾国有鉄道の運営は台湾鉄道管理局から台湾鉄路公司に承継。中国鉄道科学研究院にBIM実験室と鉄道通信信号スマートメンテ研究センターが設置された
  6. ポーランドNEVOMO既存レール上で台車を浮上させる実験に成功、欧州各国が関心
  7. 鉄道の海外進出に関連し、トータルシステム建設や車両輸出、個別システム(車両保守、軌道保守、運行システム、動力方式、安全、サービス、訓練、通信、信号、出改札、予約、経営組織、規格等)や都市計画、用地買収、商社機能、人材育成、相手国の思惑など、さまざまな観点から議論

【出席者】

岩沙克次、川﨑孝夫、河上峻、佐藤芳彦、菅建彦、西江勇二、前田喜代治

第89回 海外交通政策資料研究会

第89回 海外交通政策資料研究会
2023年12月7日(木) 15:00

議題・資料

  1. 海外交通政策概観
  2. アジア地域別鉄道プロジェクト情報
  3. Biden announces $16.4B in new funding for Amtrak’s Northeast Corridor
  4. TSA Renews Rail Security Directives
  5. RER NG enters service in Paris
  6. Gotthard Base Tunnel :
    ・Cracked wheel caused Gotthard derailment,but ‘could not have been detected’
    ・Passenger service resumes Gotthard Base Tunnel
    ・Gotthard Base Tunnel reparation costs to exceed 100 million euros
    ・Zwischenbericht der Schweizerischen Sicherheitsuntersuchungsstelle SUST

議事概要

  1. EU 9月に50カ国、3000カ所でさまざまな持続可能なモビリティのための EUROPEAN MOBILITY WEEK行事が行われた。Fortress Investmennt Group 出資のBright line Train(Orland~ Miami間378km 3.5時間)開業、2027年Las Vegas~南カリフォルニア線開業予定。英スナク首相HS2のバーミンガム~マンチェスター間建設中止表明、ロンドン~バーミンガム間建設の遅れ、ロンドンのユーストンターミナルの変更、節約建設費の使途、環境対策等で反対論。バイデン政権$653Mの港湾投資発表。DB Arrivaの売却決定、DB Shenkerの売却も検討。世論調査によると€49 DBチケット値上げは3割の逸走、交通事業者の損失も問題、DB賃上げ、インフレ補償などでスト継続。アムステルダム駅改良のためユーロスターアムステル線運休予定、ディズニーランド行きは今夏で中止。独交通相 労組EVGと協力従業員の尊厳を求めるキャンペーン
  2. インド MAHSR 100kmの高架橋完成、バングラデシュ ダッカのMRT6号線一部区間完成、シンガポール 新鉄道試験センター第1期完成、インドネシア国鉄 KAI 人材育成分野でのJR東日本との協力を2024年まで延長、韓国 現代ロテム 全羅線でLTE企画の無線列車制御システムKTC S-2供用開始、JR東海 台湾高鉄と協力覚書締結、カザフスタンと中国 第3の鉄道リンク250kmの建設覚書締結
  3. 米 大統領主導による $164億のアムトラック北東回廊支援策を発表、老朽橋梁、トンネル取替のほかハドソンリバートンネル、ペンステーションアクセス、イーストリバートンネル、メトロノースとの協調プロジェクトも含まれる
  4. 米 TSA(Transportation Security Administration)は関係業界、国家安全省のCybersecurity and Infrastructure Security Agency(CISA)、FRAを含む政府機関と協力のもと客貨鉄道、パイプライン業者のサイバーセキュリティに関する3指令を改定、輸送の中断劣化を避けるためアセスメント計画、報告、責任者の固定等の対策をとる
  5. パリÎle-de France MobilitésはTrancilien SNCF voyageurのRER-E線にAlstom製の次世代型新型車両56編成(6両1560人/編成)を投入、延伸を見込み追加37編成、D線用に38編成(7両1800人・編成)を予定、回生ブレーキ、1.5kv,25kvの両用、ETCS,KVB列車制御システム等を装備
  6. Swiss Safety Investigation Board(SUST)の中間報告 Gotthard Base Tunnel で貨物列車14両目が脱線側線進入、安全扉に激突した事故原因を車両、運行、施設の面から検討しスウェーデン製solid車輪Type390 の亀裂破損であるとした、2008年製、検査後14万キロ走行 Joint Network Secretary(JNS)のBroken Wheelsに含めるべきとし、運輸省(FOT)は現在125社使用中車両の強制チェックを命じる見込み、欧州レベルでの調査、対応も、全面開通は2024年9月以前には見込めず SBBは損害額€103m~135mと見込んでいる

出席者

岩沙克次、岩橋洋一、河上峻、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木敏明、菅建彦、前田喜代治、高橋八州男

第88回 海外交通政策資料研究会

第88回 海外交通政策資料研究会
2023年9月21日(木) 15:00

議題

  1. 海外交通政策概観
  2. Was die Bhan von anderen Länderen lehrnen kann
  3. New York vs Tokyo`s Subway : How Japan Got So Far Ahead
  4. Texas Centtal : Amtrak to the Rescue?
  5. Rail operator details the challenge of reopening derailment damaged Gotthard Base Tunnel
  6. Jean Castex prépare son musée du métro parisien
  7. アジア地域 鉄道プロジェクト動向
  8. その他

参考資料

・Bern Declaration 参加組織
・DAC Fact sheet
・RU2023-2_ Gpx temporarily only on metre gauge
・RU2023-2 _First ICE-L trainset in Germany

議事概要

  1. 政府運営のWales鉄道、唯一の黒字線も低サービス不評。Greenpeaceの調査ではヨーロッパ112路線中71%が鉄道運賃割高、ドイツは半数が割高、航空機燃料税をインフラ改良に向けるべきだと主張。ロンドン市Ultra Low Emission Zone (ULEZ)拡大、料金12.50/日。米、危険物輸送事故6カ月後も近隣汚染が続き、規制法案も難航。独、5月からの49€運賃、連邦と州の財源負担決まらず。中央アメリカの干ばつによる水節約のためパナマ運河運航数を減少し渋滞発生。独、鉄道賃金紛争無期限ストを回避、賃上げとインフレ調整金。パリ市事故多発によりeスクーターを禁止。DB、近距離自動運転シャトル計画。米、トラック大型化法案に対し地方道路の橋梁改良などが必要としての反対意見。英政府HS2計画中Phase2A(マンチェスタ延伸)は財源の関係で保証せずと表明
  2. ドイツ鉄道は日、伊、スイスから何を学べるか。定義に差異はあるが各国の定時運行率はドイツより高く、スイスの高速性はドイツに劣るが運行システムは効率的、乗り換えも簡便、予約も不要。イタリア路線延長は半分だが近代化投資や改良費は多額。日本は新幹線別線、短い停車時分と夜間保守で効率的
  3. NYと東京の地下鉄比較番組、東京メトロ利用者規模、接続駅の多いネットワーク、相互乗り入れ、共通カード、距離別運賃、極小の遅延、継続的改良建設投資などに対しNYは組織上の問題点や老朽施設。ただし改善の兆し
  4. Amtrak:8/9、2016年から支援関係にあるTexas Central (Partners)のDallas-Houston間(約385km=205-mph)新幹線高速鉄道の実現性について、さらに計画と調査を進めると発表、既にCRISI,CID,FSP-Nationalなどを連邦政府に提出。JR東海:2016年ダラスに高速鉄道技術コンサル(HTeC)設置、Amtrakも全路線ネットワークの高速化に向けての研究セクション
  5. Gotthard Base Tunnel (17年の歳月をかけ2016年開通、57kmの世界最長トンネル)8月に貨物列車の脱線事故(8kmの線路と2万本のマクラギ損傷)により迂回運転中、貨物列車は西抗利用で再開、旅客輸送のためには東抗の修理が必要で、高温下作業、マクラギ調達、換気装置などの設置が必要、開通の時期は不明、事故列車はイタリアで組成されスイスで再チェック異常はなかったとされる、迂回旅客列車は1~2時間の延伸
  6. RATP;現在パリ近郊Villeneuve-Sait-GeorgeのSNCF構内(RER Vlleneuve-Trige駅付近)に鉄道、バスなどの遺産を所持、世界遺産の日に限定オープン、大規模地域計画により土地の返還要求があり、通年開館の博物館建設を意欲的に検討中
  7. アジア地区プロジェクト インド:NHSRCL線路工事、24編成のE5系新幹線方式の車両の入札開始。ベトナム:南北高速線計画特別作業部会設置の検討、マレーシアMyHSRはDFBOTで建設する高速線建設の参加希望会社に情報提供依頼書の説明会。インドネシア:高速鉄道9/8一般営業開始。フィリピン:JICA支援でマニラ広域圏鉄道計画策定。オーストラリア: 新高速鉄道院CEOを公募。韓国:ウクライナ キーウ国際空港工事と空港拡張工事を受注。 英:トルコ南部高速鉄道建設に英国サプライヤーの活用を条件に融資保証
  8. 参考資料の説明及び海外鉄道プロジェクトの進め方についての基礎的知識を学ぶJR東日本主催、日本コンサルタンツ運営のJR EAST Global Academy(E-Leaning)の紹介

出席者

岩沙克次、岩橋洋一、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木拓二、佐々木敏明、菅建彦、高橋八州男、中島啓雄、西江勇二、東充男、前田喜代治

第87回 海外交通政策資料研究会

第87回 海外交通政策資料研究会
2023年7月6日(木) 15:00

議題・資料

  1. 海外交通情報概観
  2. アジア地区鉄道プロジェクト情報
  3. Berne Declaration for DAC and ERTMS
  4. Fret SNCF-European Commission
  5. Bundesregierung: BSWAG-Änderung
  6. Montreux-Interlaken gauge-changing Golden Pass Express
  7. Indian train crash raises safety questions
  8. US PHMSA proposal ‘release of hazardous material’
  9. Russian computer breached DC Metro system

議事概要

  1. DB ICE 73編成発注、Talgo製56編成はBerlin~Ams間230km/h、17編成はICE-neo 300km/h。Network Rail 物価上昇、天候による損傷等インフラの信頼性低下。独 定額・低運賃では利用客増加せず。Hamburg地下鉄100秒ヘッドに。DB 賃金紛争、コンツェルン改革、資金難等。Great Western R 住宅計画含め60年間の閉鎖駅復活。独 近距離交通利用者増加に関わらず乗用車からの転換僅少。米 ゼロ・低エミッション補助によりバス1700両 購入、46州に配分。Grand Paris Express15号線の運営RATPへ
  2. 中国~パキスタン3、000km(一帯一路、約7.8兆元)の評価。円借款よるにミャンマー基幹鉄道網の縮小。JR貨物 タイ国営石油会社の子会社GMLと危険品複合一貫輸送事業の検討協力覚書。シンガポール横断線44編成を中国中車に発注。インドネシア高速鉄道(142.3km)試運転開始。フィリピン政府円借款マニラ地下鉄5駅の建設入札を公告。台湾高速 日立・東芝と車両契約。中国中車 水素燃料市域車発表
  3. ヨーロッパ 12の運行会社CEO、国際旅客サービス、情報システム、インフラ、貨物ターミナル等の整備、デジタル自動連結器(DAC)導入、TEN-T規制改訂、資金援助、ERTMS推進などについてBerne宣言調印
  4. Fret France問題、 EU委員会1/18民営化前のFRET SNCFの国家補助調査を行うと発表、5/23運輸大臣はSNCF総裁と組合に対し経緯を説明、制裁を避けるため2021年のAritariaとITA Airwaysのケースも参考に、2025末車扱と列車扱部門の民営化分離、2023~2032年投資計画の2023年から増額、非解雇と選択などを提案説明
  5. 独政府鉄道投資増強のため鉄道建設法Bundesschienenwegeausbaugesetzes(BSWAG)の改正に着手、投資対象の弾力化などによる臨時費用、維持保全、デジタル化IT費用、バリアフリー、環境対策などを含め投資拡大、DBの要求との格差はあるが現時点で数十億ユーロの追加予算
  6. スイス MOB(Montreux-Oberland Bahn)とBLSのLôtschbergbahnのMontreux-Interlaken 間GoldenPass ExpressにMOBの研究成果を踏まえStadler製のメーターゲージ~標準軌の軌間変換ボギー(Zweisimmenで変換、ホームの高低工事も実施)を12月に導入予定、展望付きの豪華列車で観光振興を図る。費用は政府、地域圏負担
  7. インド鉄道大事故、独自開発のETCS Level 2 KravachやATPの整備状態を含めて事故調査中
  8. 米政府PHMSAは危険物積載車の脱線事故の際10マイルの範囲で積載内容を通告すべきと提案
  9. ワシントンのMetropolitan Area Transit Authority(WMATA)は1月にロシアのサイバーグループが契約業者者名簿を通じてメトロに侵入したとして警戒を強化

出席者

岩沙克次、岩橋洋一、遠藤俊太郎、佐々木拓二、佐々木敏明、菅建彦、西江勇二、前田喜代治